本科
本科講師・講義概要

平成28年度 本科 講師・講義概要

講義:三帖和讃
講師:徳永一道 院長 (本願寺派勧学 )

徳永一道 いわゆる「ご和讃」は親鸞聖人が晩年につくられた法義のうたで、「今様」という形式で作られています。親鸞聖人は76才の時に「浄土・高僧和讃」を、86才の時に『正像末和讃』を制作されたことはよく知られていますが、後に蓮如上人が文明年間に「正信偈・三帖和讃」として開版され、広く一般の門徒に親しまれるようになりました。この文明版「三帖和讃」には浄土真宗の法義が漏れることなく、しかも親しみやすい和讃の形式で説かれているので、古来「和語の本典」と呼ばれてきました。つまり浄土真宗の根本聖典である『教行信証』に匹敵する内容が説かれているということです。
 本講義では文明版「三帖和讃」を基本にして、国宝本・顕智上人書写本を対校本として用い、さらに『教行信証』その他親鸞聖人の著作から関連あるご文をもれなく参照しながら、一首一首を綿密に検討するように努めています。したがって、一首を検討するのに講義2回分を要することもあります。

徳永一道演習について

 先に宗学院生は各自の研究テーマをもつということを述べましたが、院生は講義を受けるのみならず、独自の研究テーマをもって宗学の理解を深めることが期待されています。そのために演習の時間を設けて、講師と他の院生の前でその研究経過を報告し、それについての評価や批判を受けて、卒業の前にはそれを公開で発表しなければなりません。これによって自らの研究テーマについての理解を深めると同時に、それが客観的な評価に耐えうるものであることが期待されます。

 

講義:本 典
講師:内藤知康(本願寺派勧学)

内藤知康 『本典』について、石泉僧叡師の『教行信証文類随聞記』と、松島善譲師の『顕浄土教行証文類敬信記』、東陽円月師の『本典仰信録』の三つの講録を参照し、随時その他の先哲方の講録も用いつつ、詳細に読み進めて行く。講義の形式は、在院生に担当範囲を割り振り、それぞれの担当箇所について発表するという形式をとる。先哲方の解釈を参考にしつつ、それぞれの担当箇所について、発表者自らがどのように解釈するのかを発表し、その発表について全員で検討し、理解を深めていく。内藤知康

講義:冠導本・天台四教儀集註
講師:淺田恵真 (本願寺派勧学 )

淺田恵真 本講義は『天台四教儀』の末疏である冠導『天台四教儀集註』をテキストとして用い、天台学の大綱のみならず仏教学の広汎な知識を学ぼうとするものである。
 『天台四教儀』は諦観師(~971)によって著わされ、天台の教観二門・五時八教の教義を簡要な文で該羅されている。そのためか、天台学入門の書とされているものの、その読解は容易ではなく、蒙潤師(1275~1342)の『天台四教儀集註』などその註釈書は数多い。その『天台四教儀集註』を大宝守脱師(1804~84年)が龍谷大学の前身である本願寺大教校に招かれて講義を行い、これを提山暢堂師がまとめられたのが本テキストである。
 講義は、在院生に担当を割り振り、担当者が漢文を書き下し、その意訳を試みる形式で進め淺田恵真疑問点等を議論し、各々の理解を深めている。その学びは天台学に留まらず、漢文の訓読法から引用経論の意図や仏教学全般の知識に至るまで、その考察が求められる。
 宗祖は9歳から29歳の20年間にわたり、比叡山において勉学に励まれた。また、『教行信証』には天台学の影響が指摘されている。本講義は、その天台学の基礎を学びつつ、宗学研鑽の一助とすることを目的としている。

講義:本典講録
主任研究員:宇野惠教(本願寺派司教)

宇野惠教 宗学院本科における「本典講録の研究」は、毎週水曜の午後、演習形式で班ごとに担当してもらい、漢文を読んで書き下し文をワープロ入力し、引用されている諸文献の書名・巻数・頁数等を記し、『宗学院論集』に掲載していくという形で講義が進められている。その成果は、「本典講録集」として、『宗学院論集』59号(昭和62年11月発行)から、最新の『宗学院論集』83号(平成23年3月発行)まで、全25集に渉って掲載されている。
 平成19年度からは、
①智暹『教行信証文類樹心録』(1760年頃成立)(『真宗全書』三十六巻所収)
②玄智『顕浄土真実教行証文類光融録』(1790-1793)(『真宗全書』二十四巻所収)
③芳英『教行信証集成記』(1820-1823)(『真宗全書』三十二巻所収)
の原漢文の三講録を考究することになり、現在(平成24年6月)は「行文類」末尾に収められている「正信偈」の解釈に取り組んでいる最中である。
宇野惠教 本講義は、本格的に本典を研鑽していこうとする研究者に対し、その研究材料を提供するのが主たる目的である。そのためには漢文を正確に読むことが求められ、三経・七祖・宗祖・列祖のお聖教やその他の経論釈に関する知識はもとより、江戸期に刊行された真宗典籍の写本・刊本に関する知識、あるいは外典の漢籍にいたるまで、その内容に関する広汎な知識が必要とされる。目下、徐々にではあるが、院生・研究員諸兄の不断の努力によって、諸講録の内容に迫り、祖意の一端に触れることのできる喜びを味わっているところである。

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